心の書庫

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心と身体の調和(ハーモニー)河合隼雄


僕が思うのは、結局心と体というのは関連していて、自我っていうのは、心と体の両方のコントロールできるんですね。で、心も身体も一つの全体として動いているわけね。
で、全体としての動きの中で、自我をもっているというのが人間の非常におもしろいところであるわけなんだけれど。ところが自我の方の動きがあんまり強くなりすぎるとね、体とハーモニーしなくなる。つまり、心的に頑張ろうとしすぎると、休息という、こちらを忘れてしまう。あるいはあいつに負けないようにしようと頑張りすぎて、結局はリラックスできなくなるということが起こってくるわけです。

そうするとこういう言い方ができるわけです。つまり我々サイコセラピーやってる者は、この自我を弱めてこの全体としてのハーモニーというのを取り返すのがセラピーということだ、ということです。 河合隼雄

 

感想

 

エゴの力が強まりすぎると、身体に影響がでて、全体の調和が崩れてしまう。

原因不明で体調が悪いときなどは、心理学的には、エゴイスティックになっていることに理由があるようだ。

たしかに、神経症も、エゴの力、心的な欲求の強さが、あまりに強いと、体調が悪くなる。

よく、自己中というが、自己中な人は、調和を悪くする。

神経症も自己に囚われて、ハーモニーが失われてしまう。

心理学の治療では、心身症などは、エゴを弱めることが必要になるようだ。

自己中心性から、全体性への志向が高まっていくのが、心理的な発展になる。