河合隼雄 心と身体のハーモニー
引用
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心と体のハーモニー
僕が思うのは、結局心と体というのは関連していて、自我っていうのは、心と体の両
方のコントロールできるんですね。で、心も身体も一つの全体として動いているわけね。
で、全体としての動きの中で、自我をもっているというのが人間の非常におもしろいと
ころであるわけなんだけれど。ところが自我の方の動きがあんまり強くなりすぎるとね、
体とハーモニーしなくなる。つまり、心的に頑張ろうとしすぎると、休息という、こち
らを忘れてしまう。あるいはあいつに負けないようにしようと頑張りすぎて、結局はリ
ラックスできなくなるということが起こってくるわけです。そうするとこういう言い方
ができるわけです。つまり我々サイコセラピーやってる者は、この自我を弱めてこの全
体としてのハーモニーというのを取り返すのがセラピーということだ、ということです。