心の書庫

主に本を通じて書いてゆく 書庫代わり 自分へのヒント

「治る」意味 神経症の場合

治すとは、忘れてしまい、意識の集中が、不快な身体症状への一点から周縁になるわけで、「症状そのものがなくなる」というわけではない。とらわれが少なくなっただけでしかない。つまり、あるものはあるとして、過剰な執着や迷信がなくなる。それが「治る」、結果的に「忘れる」ことだ。過剰に忘れようと、気にしないように、意識すれば不快感を排除できるわけではない。あくまでそれは結果だ。たんに、現れては消えてゆく感覚に、絶対固定的なものはなく、それを現出させるエゴの力を弱めるだけにすぎない。