心の書庫

主に本を通じて書いてゆく 書庫代わり 自分へのヒント

人は勝手に治っていく

病とは人間関係の総体だとしたのは、アドラーだったか。しかし、間違いではない。

 

以下は、引用だが、かなり重要な視点である。

 

引用

心理療法の技法で患者さんの症状が改善するのは、ほんの15%だ」というダンカンらの研究発表を見つけてしまったからです。さらに最近では「技法そのものによる効果は、実はたったの1%しかない」という研究結果も発表されています。

では症状の改善にかかわる他の要因は何なのでしょう。それは信頼関係や、患者さんの期待感や納得感、治療者の信念や雰囲気、態度などだというのです。もっと驚くべきことに、治療外要因、つまり治療とは直接関係のない、患者さん自身が持っている力や資源(リソース)、ライフスタイルなどが治療効果の実に40~86%を占めているというのです。引用おわり。

 

ようは、治るのは、セラピーや薬ではない。

 

周りの人との関係性、なにより、自分との関係性を再構築し、勝手に治る一助があくまで知識や薬やカウンセリングなのだ。

 

中井久夫も、病気のこと関係がない雑談で治るみたいな与太話しを言っていた、村上春樹河合隼雄の対談でも、別に苦悩を必ず語らなくては治らないワケではないことを指摘している。

 

要は、常に、人は、自己治癒していく過程にある。病気とは、治ろうとする種である。しかし、創造的な人生や自己実現がなされないときに、さまざまな病に人は、行き詰まる。逆に生かされるとき、人生の負の側面やコンプレックスが、自己のさらなる発展のエネルギーだと理解できるだろう。