心の書庫

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今回は短めに 事実本位とは 森田正馬

神経症において大事な事実本位とは、苦、無常であり、避けられないということ それに直面すること。

 

たとえば、恐怖や不安がなんともないのだから、幽霊を信じる人に、幽霊なんか科学的にらありえないのだから、しっかりしろよ、という客観的な科学の知見に立つことではない。 

 

 

 

いくらそれが、主観的な迷妄であれ、知識や理屈によって、感情の事実を無視することはできない。

感情の事実に根ざし、不快ながら苦悩しながらも前に進むのが事実本位(感情が主観的にすぎないにしても)だ。

 

神経症者は、紛れもなく、病気ではないが、まるで幽霊のような不安や恐怖から行動ができなくなったり、病的な苦悩が現れるが、なかったことにしようとするほどに、深みにハマる。

 


むしろ、不快なままに感情的事実に直面しながら、理知を駆使するのが正しいのだ。

「苦悩」や「恐怖」を排除しようとして、事実無根にしようとするのが、強迫の成立に寄与してしまう。