心の書庫

主に本を通じて書いてゆく 書庫代わり 自分へのヒント

夏目漱石

引き続き探偵について 夏目漱石

『彼岸過迄』では、探偵は二種類に分けられています。一つは、「其目的が既に罪悪の暴露にあるのだから、子じめ人を陥れやうとする成心の上に打ち立てられた職業である」というタイプの探偵です。敬太郎はそれを嫌うわけです。彼が考えている探偵というのは、…

彼岸過ぎた「先」 夏目漱石

ある種のフロイト主義というか、自我心理学者、精神分析学の特徴を典型的に表したような考えがある。 現実を見るか見ないか、その差が現実の結果を決定します。国家にしろ個人にしろ同じ事です。神経症も幼い時の親子関係とか、自分に関する苦痛な都合の悪い…

夢としての女性 夏目漱石

個人的な感想から始まるが、仮に女性の魅力とすれば、幽玄だとか死とか、霊的な資質を認めざるえないのでは、と思っている。『幽霊図(お雪の幻)』wikipediaより昨今、女性を、叩くような意見がネットに散見される。が、実際のところ、それは、ローカルレベル…

現実と夢 柄谷/夏目/丸山

丸山眞男は次のように言っている。社会的現実はきわめて錯雑し矛盾したさまざまの動向によって立体的に構成されていますが、そうした現実の多元的構造はいわゆる「現実を直視せよ」とか「現実的地盤に立て」とかいって叱咤する場合にはたいてい簡単に無視さ…