心の書庫

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「症状」に服従する

神経症者は、しばしば、滑稽でエゴイストで自己中心性が高いと言う。

 

しかし、神経症者は、意外と、自分の性格を惨めと感じつつ、虚栄心や自我が強いと言う側面がある。弱々しく、他方は、強く神経症を隠そうとする強弱が激しい気質なのだと言う。

 

実際に、症状に支配されているのだから、あまり褒められたものではなく、それを捻じ伏せ、取り消したいがために、どんどんエゴイストになってゆく。場合によっては周りを巻き込む場合さえあるし、強迫神経症の人は、「巻き込み型」というタイプもいる。

 

ただでさえ、自己中心性の高い症状に主観的に支配されているのに、その自己中心的主観を、自我の力で身勝手に取り消したり、操作しようとすれば、ますます身勝手になる。さらに、無自覚な神経症者は、自分の病気症状ばかり話すようになってしまう。

 

身勝手に身勝手の輪をかけて悪化していくのだ。

 

私も学生時代に自分のことで頭がいっぱいになり、赤面症を、冷やしたりして治そうとしたが、実際のところ、そんなことで、無意味だった。「気がつけば」そんなことは、いまは問題ですらない。それは、自己中心性を手放したし、ある意味で諦めた、忘れたから、だろう。つまり、そもそも治そうとなんかしてない、ということになる。

 

冷静になってみれば、みな、大体、自然や生理に左右される生き物だ。それくらい周りを見渡せたら、すこしはマシになっているかもしれない。