心の書庫

主に本を通じて書いてゆく 書庫代わり 自分へのヒント

フロイト=ラカン派を語る 宮台真司

社会という言語的なシステムに、一見「適応できた人間」と「適応できなかった人間」がいるとして、「適応できなかった人間」の方が正しいんだというのがフロイトラカン派の一貫した発想です。「心の病気だから治しましょう」と人は言います。確かにそれで社会は安定して回るかもしれない。でもラカン的には「治しちゃっていいの?」という問題です。治せば、郡司さんのおっしゃる隠蔽が起こるんじゃないの?ということ。むしろ、言語に閉じ込められてシステム化していく社会が病気であって、「適応できない」ことの中に本質があるんじゃないの?と。